【建築士全国大会】金田勝良さん(金田工業所社長)が伝統的技能者表彰

2009-10-25 10:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 金田勝良金田工業所社長(64、須坂市春木町)は16日、山形市で開いた第52回建築士会全国大会(日本建築士会連合会主催)で「伝統的技能者表彰」に輝いた。28人の中に県内はただ1人。曵(ひ)き屋工事の伝統工法を継承し、古民家や歴史的建造物の移転、再生に携わって40年目を迎える。一方、須坂市出身で前会長の宮本忠長さん(長野市)は「日本建築栄誉賞」を受賞した。
 金田社長は同社が有する伝統工法の根絡み工法や打ち揚げ工法を継承する。須坂市のまゆぐら、愛知県豊橋市の造り酒屋、松代・真田邸の文化庁修復、上田市の4階建て繭蔵など県内外の大工事も手がける。「昔の建物を愛し、直して使う人が増えてきた。木造が残る限り、なくてはならない技術。動かす技法は継承していきたい」「ごく普通に仕事をしてきただけ。受賞を機にさらに精進、努力していきたい」と話す。
 3代目。同社は長野市赤沼出身の初代富治さん(祖父)が創業した。初代が上京し、東京・三田の松岡組の工事で長野市中央通りの拡幅に携わり、2年間で247棟を後退・移動した後、現在地で独立、金田組を創業した。金田社長は2代目確二さん(父)の代に22歳から3年間東京、川崎で建築全般に従事。25歳の昭和46年に戻った。
 大手ゼネコンの近代工法(大規模掬=すく=い工法)は、ジャッキをセットした後、コンピューター制御で1人でもできるが、準備に時間と莫大な費用がかかると言われる。伝統工法と両者はなくてはならない技術だ。
 「木造は荷重により音が出るので静かな所で仕事をしなければならない。建物は生きている。音の出ない場合は気をつけねばならない。時代とともに道具は変わるが、細く長く継承するには決して無理、無駄をしないよう心がけている。工程が1から10まである場合、途中を飛ばしては後々支障が出る。古い建物は基礎、土台が大事。残してよかったと喜ばれる仕事をしていきたい。そのために助言もしたい」と話す。

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