保健所須坂支所9月中旬移転/須坂病院で業務、建物活用課題に

2005-08-29 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂市常盤町にある長野保健所須坂支所の業務が来月中旬、県立須坂病院内に移転することが、このほど開かれた知事と長野地方事務所管内の市町村長との懇談会で明らかになり、関連する須高食品衛生協会、獣医師会須高支部、建築士会、建設住宅センターも事務所を移転する。また、旧郡役所として建設された歴史的な洋風建築でもあることから、保存や活用方法について今後の課題となりそうだ。
 懇談会の席上、三木正夫須坂市長が「須坂市は歴史的建物を保存活用し、ヘリテージング等で次代に継承すべき町づくりを進めている。旧上高井地方事務所の建物は、大正時代の洋風建築として素晴らしい建物だが、傷みも目立つようになっている。最低限の塗装修理を行ってほしい」と要望した。
 田中康夫知事は「外壁だけでなく、修繕を本格的にするということになると、かなりの期間、かなりの費用が必要と思われる。須坂支所を訪れる人の利便を図り、長野保健所須坂支所は、同じ職員数で同じ業務で須坂病院内でこの事業を九月から行う準備を進めている。須坂市の方で何かご活用いただけるようなご希望があれば、是非ご相談させていただければ」と答え、同所にある団体事務所の移転も同時に行うことを明らかにした。
 同所建物は、大正6年に郡役所として建設された木造2階建て寄棟造り、外壁はドイツ下見、基礎は石積み構造。正面の左右両端の壁面をわずかに前方に突き出し、中央にペジメント(切妻破風)を付ける手法は、大正前期の公共建築に用いられたバロック様式の特徴を示している。本格的な洋風木造の郡役所の建築は、県内では唯一須坂市にあるだけ、建築デザインも格調高く、貴重な歴史的な建物である―と平成3年に行った日本ナショナルトラストの調査などで評価されている。
 須坂市は「須坂の歴史を語る貴重な建物として認識している。活用のための検討委員会を作り、活用策を導き出したい」としている。

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