菅沼さん(オリオン機械)国際大会出場決定〜冷凍空調日本代表で10月の技能五輪へ

2017-01-21 07:00 am by 須坂新聞

工業・商業 icon オリオン機械(須坂市幸高、太田哲郎社長)の菅沼幸希(よしき)さん(20、須坂市井上町)は、今年10月14〜19日にアラブ首長国連邦・アブダビで開く第44回技能五輪国際大会に冷凍空調技術職種の日本代表選手として初出場する。同職種のエキスパートとして同社の奥村康則さん(48、長野市)も日本代表で派遣され、競技の準備や大会の審査をする。
 菅沼さんは昨年10月の全国大会で金賞に輝いた。グループ2社から同職種に出場した選手は6人。皆力の差が拮抗(きっこう)し、「思わぬ金メダル」と本紙の取材に答えていた。「技術も知識もある人たち。当日の環境や調子が微妙に左右したのか」と振り返る。
 井上小、墨坂中、須坂園芸高校造園科卒。須坂駅前の庭園整備に携わり、農業鑑定全国大会では優秀賞に輝いた。企業選択は「身近にあった会社で、技能五輪に力を入れていることも聞いていたので志望した」。入社3年目。技能五輪は2年連続で県代表に(1年目はおととし銅賞)。
 グループ2社は全国挑戦8年目で2年連続の金賞に(初の金賞はおととしのオリオン機械小坂一茂さん)。
 昨年12月14日の日本代表決定通知書授与式(中央職業能力開発協会、千葉県船橋市)に出席し、正式に決まったが「練習も始まっていないので信じられなかった。国際大会は一度きりの挑戦なので楽しみでもある。学べる機会を生かし、次の人に伝えられるよういい経験を多くしたい」。
 12月8日現在、58カ国・地域の約1,350選手(51職種)が参加を予定する。年齢は満22歳以下。日本は現在40職種45選手(県内は4選手)。
 大会は、職業訓練の振興と国際親善交流を目的に、1950年に始まり、71年まで毎年開き、その後2年ごとに。日本は62年の第11回から通算33回参加。冷凍空調職種の過去最高は銅メダル。前回ブラジル・サンパウロは敢闘賞(12位)。
 競技は4日間。制限時間23時間。回路を組み、ガスを充填(じゅうてん)し、最大能力へ運転を調整したり、壊された冷凍機の修理など。課題は4月に発表されるが、3割ほどは当日に変更され、より高度で複雑な課題を24カ国の選手と競う。
 菅沼さんは「会場で起きる不具合を、その場で考えながら対応する。後ろ向きに考えても仕方ない。絶対できると思って取り組む方が結果もよくなると思う。対応力をつけ金メダルを目指したい」。
 奥村さんは、同社指導員13人(技術・実技・配線・冷凍・学科各チーム)の1人で指導5年目。直前までは指導員・コーチ役を務める。「日本チームとしては金を期待される。メダルを目指して指導していきたい」。父菅沼広之さん(50)も同社勤務で元指導員。
 初の国際大会出場に向け、同社は近く練習を開始する。須坂の選手が勇姿を世界にアピールする絶好の機会。未来を担う青年技能者の活躍が地域力向上に追い風となりそうだ。

2017-01-21 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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