米子瀑布群が国の名勝に〜文化審議会が答申

2016-06-25 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 国の文化審議会は17日、米子瀑布群(よなこばくふぐん)を新たに国指定名勝に指定するよう文部科学大臣に答申した=表。米子川上流の上信越高原国立公園内に位置し、壮観な複数の滝が魅了する県を代表する景勝地。大河ドラマ「真田丸」のオープニング映像にも使われ、認知度が高まっている。三木市長は「市民の自信と誇りにつながる名勝指定」とコメントを発した。
 高さ100mほどの岩壁を流れ落ちる権現滝(約80m)や、向かって右へ、不動滝(約85m)、黒滝、名無しの滝(数条)が約1km続く。また、権現滝から左へ、大黒滝、裏ノ沢の奇妙滝、名無しの滝(数条)など通常10本ほどから豪雨時15本以上が流れ落ちる。
 一方、四阿山(あずまやさん)の白山信仰や米子瀧山の不動尊信仰、江戸時代初期に奇妙山を修行の場としたとされる木食(もくじき)但唱らの念仏信仰など山岳信仰の聖地でもある。
 また、近世から現代まで、硫黄などの地下資源を採掘し、日本の産業・経済に広く貢献してきた。
 審議会答申報道後の18、19日は大勢が現地を訪れた。駐車場で売店を営み、13年目の竹前静子さん(75、米子町)は「真田丸効果で滝の上のお城はどこかと聞かれて困り、映像は合成との説明板を設置してもらった。国の名勝指定答申の報道を見た人が多かった」と取材に答えた。
 現地で13年前からガイドをする鳥居繁雄さん(76、北横町)は「大勢来訪してほしいが、周辺は神聖な修行の場でもある。アクセス道路(林道米子不動線14.3km)が狭く、今後渋滞も予想されるのでパークアンドライドを考える必要がある」と答えた。
 毎年10月にシャトルバスを運行している市商業観光課は、真田丸効果で例年より秋の人出が増えるとみている。「来訪者数はカウントしていないが、5月から例年を上回っているようだ。周遊道の案内板を更新し、利便性を高めたい」。市生涯学習スポーツ課は平成29、30年度に「米子瀑布群保存活用計画」を策定する予定だ。
 須坂市が誇る「米子大瀑布」は、昭和47年に市指定名勝(名称は「米子の瀑布」)に指定された。平成2年には「米子大瀑布不動滝・権現滝」が日本の滝百選に選定された。
 国指定名勝は今答申を合わせて400件。県内では、光前寺庭園(駒ケ根市)天竜峡(飯田市)寝覚の床(上松町)姨捨(田毎の月)(千曲市)上高地(松本市)に続いて6件目。
 全国の滝では那智の大滝(和歌山県)白糸の滝(静岡県)華厳の滝(栃木県)などが指定されている。

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