須坂創成高、開校から半年 〜“ものづくり”に楽しさ

2015-10-24 07:00 am by 須坂新聞

学校・教育 icon 須坂園芸高校と須坂商業高校を再編統合して誕生した須坂創成高校は、4月の開校から半年がたった。農業科、創造工学科、商業科のうち、新設された創造工学科では男子生徒40人が基礎学習として工業の知識や技術、安全に作業をするための態度など学んでいる。徐々に“ものづくり”の楽しさも感じ始めている。

 1年次は機械設計(力学)や製図を学んでいるほか、年間30週の実習時間を確保。課題に取り組みながら工具や機器の使い方を習得するのが目標だ。
 ▽旋盤(溝削りなど)▽板金溶接(ちり取り製作)▽フライス盤(文鎮製作)▽3D-CAD(立体的に物をとらえる学習)▽NCプログラム(数値制御で機器を動かす学習)▽シーケンス制御(順番通りに動作させるリレーを使った制御)―の6パート(1パート5週)を設け、全パートで実習する。同科の職員3人と、外部講師2人の計5人が指導している。
 入学当初は機器の用途すら分からなかったという生徒たちも、「最初は思い通りいかなかったけど少しずつ使えるようになってきた」「使い方を覚えてくると面白い」と、一歩ずつ成長している。
 生徒の中には、機器の使い方を覚えるよりも専門的な知識を身に付けることに難しさを感じていたり、実習レポートのまとめに苦労しているという生徒も。それぞれ課題と向き合っている。
 主任の荒井幹雄教諭(51)らによると、指導ではまず生徒にものづくりの楽しさを感じてもらえるように心掛けているという。
 同科に対する地域の期待を感じ、生徒に求めるレベルも高いようだが、「素直に吸収してくれる生徒が多い」と荒井教諭。苦労しながらも一生懸命に取り組む姿に好感を持つ。
 実習では機器などの使い方を覚えるのはもちろん、発想力を養うために「自ら考え、工夫してほしい」と強調。企業と一緒に生徒を育てる「デュアルシステム」での成長にも期待している。
 荒井教諭は「自分の考えを持った生徒になってほしい。受け身ではなく前向きに思ったことにチャレンジしてくれたらうれしい」。
  ◇    ◇
 「授業以外でも機器を使いたかった」「物を作ることが好きだった」―。同科の生徒のうち、創造工学クラブには5人が所属。毎週火〜土曜に活動し、技術を磨いている。
 きょう24日とあす25日に開く「須商・創成マーケット」では部員が製作した文鎮(3種類・約60個)、ペーパーウエート(2種類・50個)、ちり取り(約15個)を販売する。
 「自分の作品ができたときに達成感がある」「今まで作れなかった物を作れたときが楽しい」と、それぞれ工業の魅力を肌で感じ始めている。
 部長の北島未那斗君(16、長野市)は「これからも新しい物をどんどん作っていきたい」と意欲十分。藤沢攻汰君(15、須坂市米持町)は将来を見据え「他の学校よりも機器がそろっている。高度な技術を身に付け、検定も受けていきたい」と考えている。
 今後、部員らは来年実施される国家技能検定の機械検査3級に挑戦する予定だ。

2015-10-24 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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