2009-04-20 07:00 am by 須坂新聞
養鶏と果樹・米の有畜農業に取り組む関野のぶえさん(79、上八町)は農業や消費者教育、環境問題などをテーマに自分史『有機のぬくもりを次世代に伝えたい』にまとめ、先ごろ、発刊した。B5判、42ページ。高甫地域公民館で開いた自分史講座に参加して平成12年の15集から17年の20集までつづったものに、書き下ろしを加えた。8年前に脳梗塞(こうそく)で倒れ、リハビリを続けながらの労作だ=写真は鶏舎前で13日。
関野さんは長野市川田の農家に生まれ、父から農業の基本を学んだという。結婚後、荒れていた畑に有機質を投入して土を改善することに専念し、米やブドウ、リンゴの味がよくなったという。
30歳まで10年間学んだ農村文化協会で会員亀井雅子さんと出会い、昭和32年に100羽で養鶏を始め、「農地をよみがえらせるため」に鶏糞(けいふん)を畑に循環した。
「父の時代は桑畑にわらや山の下草、蚕糞(さんぷん)桑の棒などの有機質を入れ、土作りを大事にした。今の循環農業は江戸時代と少しも変わらない。化学肥料を使わないので農薬は少なくて済むし、落ち葉や雑草、鶏糞などの有機物だけの循環は微生物や昆虫が土の中にすみつき、植物は健全に育つ。土がきれいで健全なら水もきれい。最大のメリットは空気をきれいにすること」と力説する。
「実践を通じて考えてきたことを訴え、誰かに託したい。孫に残しておくと孫の世代にも伝わる」と話す。100部作成。希望者に実費500円で販売。TEL026-245-3832。
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