【技能五輪全国大会】オリオングループ3人入賞〜競技経験を生産現場に生かしたい

2020-11-21 07:00 am by 須坂新聞

工業・商業 icon 第58回技能五輪全国大会(14〜15日、愛知県国際展示場他愛知県内全7会場、無観客開催、Web公開)に出場した県選手団32人(13職種)のうち、冷凍空調技術職種に出場したオリオングループの3選手が銀賞、銅賞、敢闘賞に輝いた。17日、オリオン機械本社(須坂市幸高町)で大会報告会が開かれ、選手が思いを語った。
 冷凍空調技術職種は、空気を0度以下の低い温度に保つこと(冷凍)と快適な状態に保つこと(空気調和、空調)を使って技術を競う。
 前者は家庭用・業務用冷蔵庫やスーパーのショーケース、市場や漁港などの大型冷凍保管庫、農作物の貯蔵庫などに。後者は家庭用エアコンからビルや事務所、電車、航空機、宇宙ロケットまで快適空間に使われる。また、手術室や研究室など一定の温・湿度で「ほこり」などの浮遊物が許されない条件下に技術精度が要求される。
 競技は、冷凍機の冷媒配管と制御配線を完成させ、パネル蒸発器の文字に着霜させる課題に取り組む。サーモオフ時は装置内の冷媒をポンプダウンして圧縮機を停止させる課題に取り組む。
 午前に課題1の冷凍機冷媒配管課題で冷凍機を組み立てた。午後は運転データを測定し、能力計算しペーパーテストに答える課題2と制御配線課題の課題3に取り組んだ。
 銀賞の佐藤恵太さん(19、須坂市米子町、長野工業高出身)はオリオン機械入社2年目で初出場。
 「楽しんで競技ができた。練習通りにできて結果につながった。続けてきた卓球のジャンプ3回がリラックスのルーティン。本番でも行い、体のスイッチが入った。いろんな人の支えがあって頑張れた。技能五輪で学べたので精度を大事に納得するものを作りたい」
 銅賞の高橋龍世(りゅうせい)さん(20、中野市、中野立志館高出身)はオリオン機械入社3年目で2回目の出場。前回銅賞。
 「前回の銅賞以上を目指して練習してきた。ランクアップはできなかったが、練習の成果を発揮して賞が取れてうれしかった。コロナ禍の中で支援に感謝している。経験を職場に生かしたい」
 敢闘賞の西村拓哉さん(19、千曲市、更級農業高出身)はオリオン精工入社2年目。
 「いい経験になった。技術面、精神面で成長できた。応援に感謝を忘れず学んだことを今後に生かしたい」
 太田哲郎オリオン機械社長の話 コロナ禍で例年のような時間が取りづらかったが、皆よく練習してくれた。落ち着いて練習通りでいいとアドバイスした。実力をそのまま出してくれた。
 関尚俊同社常務の話 技能五輪出場選手が製品の品質の要になっている。今年一番の出来や遜色がなかった。また、諦めなかった。
 オリオン機械の原正俊統括指導員の話 5月7日から11月11日まで6カ月半、指導員10人体制で行った。2人は何でも質問し意欲的だ。出場者はものづくりのラインの中心だ。
 オリオン精工の安藤一雄総括責任者の話 アクシデントを乗り越えて諦めなかったことが賞につながった。経験を生産活動や指導に生かしてほしい。
 技能五輪全国大会は、青年技能者(23歳以下)が技能レベルを競うことにより努力目標となっている。一方、広く国民に技能の重要性や必要性をアピールすることにより、技能尊重機運の醸成を図ることを目的に昭和38年から開いている。今回は40職種に944人が出場した。
 冷凍空調技術職種は第42回(平成16年・2004年)に創設された。オリオン機械は第47回から出場し今回12回目。通算では3職種に延べ73人(実人員48人)が出場している。
 表彰式、閉会式がリモート開催だったため、メダルが届くのは来月という。

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