2016-07-16 07:00 am by 須坂新聞
6月18日、須坂市と上田市にまたがる根子岳(標高2,207m)周辺の登山道整備に参加した。毎年、市内外の有志がボランティアで取り組んでいる。ことしは26人が参加し、峰の原〜米子大瀑布を結ぶ登山道を2班に分かれて作業に励んだ。
ハイキングが趣味の人、作業後のネマガリダケ採りに魅力を感じている人、会社の同僚に誘われた人…。参加理由はさまざまだったが、本格的な登山シーズンを前に、登山客のけが予防や景観維持などのため、一生懸命に汗を流していた。
私は登山道整備はもちろん、本格的な登山自体が初めてだった。そのため体力面で大きな不安があり、見事に的中。峰の原〜根子岳〜小根子岳北肩(通称ザレ岩)の班に参加したが、作業開始前の現地までの移動で半分以上体力を使い果たしてしまった。
毎年参加しているというベテランの人たちは、息ひとつ切らしている様子もなく、何とも楽しそうに作業をしていた。参加者の中で2番目に若かった32歳の私よりも、おそらく二回りほどは年上であろう先輩たちに驚かされるばかりだった。
作業は、ごみ拾いや草木の伐採が中心だったが、素人目には驚くほどきれいな登山道で、登山客のマナーの良さがうかがえた。
やはり自然の中に訪れる人は、その美しさを維持することの大切さや難しさを分かっている人が多いのだと思った。今シーズンもごみのポイ捨て禁止と、持ち帰りなどのマナーを守って登山を楽しんでほしい。
根子岳頂上付近から米子大瀑布への帰り道は、足場が悪かったり、気を抜くと危険な箇所もあり想像以上に過酷だった。
「熊に遭遇したらどうしよう…」。サバイバルのような心理状態の中、足が棒になるなどという次元ではない疲労感でいっぱいだったが、無事、大瀑布にたどり着いたときは達成感に満ちていた。
根子岳の持つ美しさと豊かな自然、山頂付近から見下ろす須坂のまち並み、遠くに見える北信五岳やアルプスの山々、普段より不思議とおいしく感じる食事…。
何よりネマガリダケは地元の静岡で食べる習慣がなく、須坂に引っ越して来て一番感動した郷土料理がネマガリダケとサバ缶のたけのこ汁だった。最初はその組み合わせと見た目に驚いたが、今では毎年シーズンが待ち遠しい。
初めての登山道整備作業を通し、山の魅力を肌で感じられた貴重な体験だった。
(報告=須坂新聞社・小林徹)
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