2005-07-28 12:00 am by 須坂新聞
アイワ不動産(須坂市春木町)直営の「アートサロン 明治異人館」が17日、春木町四三七ノ一(山丸一番館隣)に開館した。洋館内にはステンドグラスやアンティークの照明器具・柱時計・家具類が配され、心地よい異空間を演出する。絵画の数々や、郷土の基盤を築いた小田切家の人々を紹介する歴史室など、近代を生きた偉人・異人に触れる新名所が市の中心地に誕生した。
館長は同社の小田切綾子社長。建物は館長のプランに基づき、フランスの田舎の館をイメージしたレンガ造り。木造2階建て、約160平方メートル。施工は北沢建設工業。
展示は、絵画では藤田嗣治、ピカソ、永田松蔵ら。欧米やアジアの年代物の家具類は、館長が自ら磨いて仕上げた。
らせん階段の2階は歴史室(写真)や図書室。山形県知事を務めた館長の祖父磐太郎氏の典礼服をはじめ小田切辰之助、越寿三郎、小田切磐太郎、小田切義譲、小田切新太郎、小田切新蔵、小田切常三郎各氏を紹介する。
館長が長年研究した小田切家の歴史では、須坂の小田切は源氏の出身で滋野氏や海野氏につながる。戦国時代に川中島や小市方面を支配した小田切駿河守は武田軍と戦った。須坂に来た三太夫は本家の出で武士を捨て居住した。文書には小田切家の由緒を子孫へ伝える旨が記され、館長が顕彰・継承の使命を果たし、館建設となった。
開館に先立って親類や市理事者、市会議員、郷土史家らが出席して披露パーティーが開かれた。小田切館長は「多くの本に載る立派な方々の事績を調べ、家系にロマンを感じた。祖父の育ったこの土地が売りに出てご先祖さまのお導きで取得することができた。いい絵を見、お茶を飲んで空間を十分楽しんでほしい」とあいさつした。
来賓からは「今市民、住民のために尽くす精神が必要な時。地域づくりの基本は文化と誇り。須坂の偉人を伝えるロマンあふれる拠点」「東大、知事、代議士を務めた祖父の血を受け継ぎ、住まい文化の構築に通じる発信拠点」「女性の視点で住環境を考え、先人の偉業に学び、引き継ぐことの重要性を感じる」と賛辞が続いた。
開館は午前10時〜午後4時。入館料は大人500円(子供不可)。月曜休館。TEL246―4746。
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